レーザーラマン顕微鏡 RAMANforce

研ぎ澄まされた、ハイパフォーマンス。RAMANforce

RAMANforceは、そのコンパクトな筐体のなかに焦点距離550mmの分光器を搭載しています。スペクトル分解能や明るさ、安定性などのバランスに優れた設計で、高い分光パフォーマンスを安定して発揮します。装置に内蔵された3枚の回折格子を自由に切り替えて、目的に合わせた多彩なスペクトル分析が可能です。

スペクトル分解能と明るさを高いレベルで両立

「十分なスペクトル分解能があること」「十分な明るさが確保できること」「できるだけコンパクトであること」。この3つの条件を満たすために、焦点距離550mmの分光器を採用しました。スペクトル分解能は、785nmの励起波長と1200gr/mmのグレーティング使用時で1.2cm-1(FWHM)を切ります。スペクトル分解能の評価に使われる四塩化炭素のラマンピークも、532nmでも785nmでもしっかりと分離して検出することができます(右)。

より高いスペクトル分解能を発揮する2400gr/mm、分解能と測定スペクトル範囲のバランスの取れた600gr/mm、PLや反射分光測定など広い波長領域の測定で有用な150gr/mmなど、多数の選択肢から3枚のグレーティングを選んで搭載できます。ソフトウェアからワンクリックで切り替えて使用でき、調整は必要ありません。

Appendix
→スペクトル分解能について理解しよう。

① 四塩化炭素のラマンスペクトル(532nmで測定)
四塩化炭素のラマンスペクトル(532nmで測定)

励起波長
532 nm
回折格子
2400gr/mm

② 四塩化炭素のラマンスペクトル(785nmで測定)
四塩化炭素のラマンスペクトル(785nmで測定)

励起波長
785 nm
回折格子
1200 gr/mm

 

0.1cm-1を超える高精度ピークシフト測定

550mmという長い焦点距離と、高分解能用グレーティングの組み合わせにより、0.1cm-1を超える高いピーク位置決め精度を実現します。ガウス型やローレンツ型のピーク関数を用いたフィッティング解析により、スペクトルピクセル分解能(※)を超えたピーク位置決め精度でピーク位置を解析することが可能です。 右のデータは、532nmのレーザーと2400gr/mmのグレーティング使用時のシリコンのピーク位置のばらつき具合が、わずか0.02cm-1におさまっていることを示しています。

Application note
→シリコン基板の応力分布のラマンイメージング

シリコンのラマンピーク位置ヒストグラム
シリコンのラマンピーク位置ヒストグラム

励起波長
532 nm
回折格子
2400 gr/mm
測定回数
6,750 回

 

(参考)スペクトル分解能とスペクトルピクセル分解能

スペクトル分解能とは、近接した2本のラマンピークを分離して検出できる能力のことです。装置のスペクトル分解能を決める要因にはさまざまなものがあり、励起レーザーの線幅や分光器の焦点距離など装置固有のものから、分光器のスリット幅やグレーティングの刻線数など、ユーザーが設定を変更できるものもあります。下図には、グレーティングの種類を変えて測定した四塩化炭素のラマンスペクトルを示します。刻線数の多いグレーティングを使うことで、スペクトル分解能が向上していることが分かります。

四塩化炭素のラマンスペクトル(600gr/mm)
四塩化炭素のラマンスペクトル(600gr/mmで測定)

四塩化炭素のラマンスペクトル(2400gr/mm)
四塩化炭素のラマンスペクトル(2400gr/mmで測定)

 

装置のスペクトル分解能は、レイリー散乱光のピークの半値全幅(FWHM)で評価します。レイリー散乱光のピークの半値全幅とはすなわち励起レーザーの線幅そのものであり(注1)、ラマン分光法では原理的に、励起レーザーの線幅より細かなピークを分離することはできないためです。RAMANforceのスペクトル分解能は、785nmの励起波長、1200gr/mmのグレーティング使用時で、0.67cm-1(典型値)となっています。一方、スペクトルのサンプリング間隔として、スペクトルピクセル分解能という性能指標もあります。下記データでは、およそ0.4cm-1ごとにスペクトルデータが取得されているため、スペクトルピクセル分解能は0.4cm-1/pixelとなっています。

スペクトル分解能(レイリー光の半値全幅)
スペクトル分解能(レイリー散乱光のピーク半値全幅)

スペクトルピクセル分解能(サンプリング間隔)
スペクトルピクセル分解能(サンプリング間隔)

 

このスペクトルピクセル分解能はスペクトル分解能とは別の仕様であり、近接した2本のラマンピークを分離して検出できる能力のことではありません。装置によっては、スペクトルピクセル分解能をスペクトル分解能として紹介していることもあり注意が必要です。

(注1)実際には装置に由来する線幅の広がりも含みます。