ラマン分光法 関連用語集

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ラマン散乱に関する用語

レイリー散乱
(Rayleigh scattering)

光の波長より十分に小さい物質に光が照射されると、その表面で散乱が生じます。生じた散乱のうち、もとの光と同じ波長のものをレイリー散乱といいます。

ストークスラマン散乱、
アンチ(反)ストークスラマン散乱

いずれもラマン散乱光のことで、レイリー散乱に比べて10の-6乗程度の強度の弱い散乱です。光の照射により、電子が基底状態から高いエネルギー状態に遷移することに伴う非弾性散乱がストークスラマン散乱で、逆がアンチストークスラマン散乱です。通常は電子が基底状態にある確率のほうが高いためストークスラマン散乱のほうが強く、解析にはこちらを使うのが一般的です。

分光性能に関する用語

スペクトル分解能(波数分解能)

2つ並んだラマンピークを、独立した2つのピークとして認識できる波数距離(横軸)のことです。分光器単体ではない、ラマン分光システムとしてのスペクトル分解能は、レイリー散乱光を観察した時の、レイリー散乱ピークの半値全幅(FWHM)で評価します。スペクトル分解能は、励起レーザーの品質(線幅)、分光器の焦点距離の長さ、分光器のスリット幅、グレーティングの種類など、さまざまな要素で決まります。

ピーク位置決め精度

応力測定などでラマンピークのシフト量を測定する際、どのくらいのシフト量を検出できるかを決めるのがピーク位置決め精度です。ラマンピークをローレンツ関数などでフィッティングしてピーク位置を計算することを繰り返し、その標準偏差を求めます。この標準偏差よりシフト量が大きければ、有意なピークシフトとみなせ、波数分解能よりも高い精度でシフト量を測定することができます。

スペクトルピクセル分解能

ラマンスペクトルの波数範囲を、検出器の波数方向の画素数で割った数値のことです。たとえば、0から1000cm-1の範囲のスペクトルを、1000画素のCCDで検出すれば、ピクセル分解能は1cm-1/pixelとなります。この数値は波数分解能ではありませんが、製品カタログなので波数分解能としてこの数値が掲載されていることがあるので、注意が必要です。