代表取締役会長 河田 聡

先日ようやく、Uberを利用しました。San Diegoのホテルから空港まで乗りました。iPhoneのアプリに行き先を入れて車の種類を選んで承認ボタンを押したら、車が2分で到着。事前に、車の位置と目的地までの経路・料金はもちろんのこと、運転手の名前や写真、車のライセンスナンバーなどがiPhoneの画面に現れます。食べログなどと同じように、これまでの乗客による評価や点数も出ます。評価されているのでタクシーは清潔で安全、運転手さんは親切でした。先月に行ったモスクワとサンクトペテルブルグでも、すでにこの新しいシステムに代わってしまっていて、町からタクシーはいなくなっていました。そのうち世界中からタクシーは消えてしまうかもしれません。

日本では、このようなビジネスは白タクだと見なされて、認められていません。それらしいアプリはあるのですが、実態はタクシーの迎車と同じです。呼べば、タクシー会社のタクシーが来ます。料金はタクシー運賃です。日本では、ナンバープレートが緑の車(タクシーやバス)しかお客さんを運ぶことができないのです。既得権益者を守り、チャレンジャーには厳しい社会です。

私が小学生の頃(電車運賃が10円、タクシーは初乗り百円の時代)、家に自動車がある子などクラスに一人もいませんでした。だから車を運転するタクシーの運転手は、子供たちにとってちょっとした憧れの存在でした。彼らに求められたことは、単に自動車を運転できるだけではなく、地域の地図・道路や交通事情をよく知っていて、かつ道路交通法を遵守して安全運転することできることでした。運転手さんは第二種免許が必要で、タクシー事業には国からの認可が必要です。

いまでは自家用車の普及率は一家に1台以上になり、運転は特殊な技能ではなくなりました。オートマチック車が主流になりクラッチ操作がなくなり、タイヤはパンクしなくなり、毎朝ボンネットを開けてラジエータの水やオイルチェックをすることもなくなりました。最近の車はセンサーやカメラが付いていてパーキングも容易です。ハンドルを握らなくても走る自動運転の車も実用化されました。初めての街でも、ナビやiPhoneの地図が目的地まで案内してくれます(Google Mapの正しい使い方です)。いまや、車運転ができる人なら誰でもタクシーの運転手になれそうです。Uberは、このようなIT技術と自動車の革新的技術進歩に支えられて、必然的に生まれてきたサービスと言えます。

すでに世界中でこのサービスは普及しており、あらゆるところにUber運転者がいます。車を運転できる人は街中や村のあらゆるところにいますので、日本以外の国ではどこにいてもUber車がすぐに来てくれます。iPhoneさえあれば現金やクレジットカードの所持も必要ありません。チップもアプリで下車後に払えますし、レシートもiPhoneに保存されます。

タクシーを使う時のイライラといえば、タクシー乗り場の長い列、高い乗車料金、雨の日にタクシー会社に電話がつながらないこと、近距離乗車の乗車拒否、遠回りをされるのではないかという不安などでした。Uberシステムこれらの全てが解消されます。スマホ、アプリ、4Gなど、最先端のITテクノロジーが既存産業と管理規制を超えてしまったのです。まさにシュンペーターの創造的破壊です。

触発されました!

最先端テクノロジーが既存産業と管理規制の常識を超えて、新しい製品を開発し市場に提供する、ナノフォトンが目指してきたことです。もう一度原点に戻って、最先端の技術やサービスを駆使することによって、従来の製品よりもはるかに安くて安全で便利で使いやすいラマン顕微鏡を開発し、市場に提供していきたいと思います。

2019年8月25日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長  河田 聡