4/26/20 第16回会長室から 「ウイルスに負けないぞ!キャンペーン」

ナノフォトン社はその名の通り、「ナノ」を光で分析する顕微鏡の会社です。ですから、「ナノ」に関してはとてもうるさいです。コロナ・ウイルスは大きさは〜100nm(0.1µm)、1ミリの1万分の1です。ウイルスはペスト菌やコレラ菌のような細菌(病原菌)と比べて非常に小さくて、ふつうの光学顕微鏡では見えません。スギ花粉(〜30μm)やPM2.5(〜2.5μm)対策用などの普通のマスクは、ナノサイズのウイルスを遮断することができません。ウイルスをストップできるウイルス専用マスクは隙間が狭くて呼吸するのが苦しいので、もし使うなら電動ファンがついているマスクがいいと思います。毒マスク・ルックです。マスクの上や横から空気が入れば呼吸できますが、それでは空気に乗って飛んでくる微粒子・微生物から私たちを守ることができません。ウイルスは死なないので(というか生きていないので)、ウイルスが付着したマスクは素手で触わってはいけません。本当は、鼻と口だけではなく目も覆う必要があるように思います。

ナノを制御することはなかなかやっかいなんです。ナノフォトンが装置を開発したり製造するときに経験していることです。

緊急事態宣言で行動が制限されているので、ラマン顕微鏡でコロナ・ウイルスを見つける方法をずっと考えています。ナノフォトン社のTERSsenseは10nmの分解能があるので、コロナ・ウイルスを観察・分析することができます。ただ、価格が高すぎる。全く新しい原理に基づく検査装置を作ろうかとも考えました。しかし経済が止まった今、開発費がありません。

緊急事態宣言下でもナノフォトン社は、あれこれ考え悩み、そして元気に活動しています。コロナ・ウイルス用の検査装置を考えるだけではなく、ネットやオンラインでできる営業やマーケティング・システムを構築し、経済復活の日から直ちに納品できるように活動を行っています。zoom会議にもすっかり慣れました。東京、大阪、ソウル、北京のそれぞれのオフィスと社員のそれぞれの自宅から、皆がまるで同じオフィスにいるかのようにバーチャルな会議や打ち合わせを並列して行っています。コロナ・ウイルスのお陰で押印やコピー・書類保管などの昭和の文化からも脱却しつつあります。このホームページも少しずつ、修正しています。

昨年に発明した独創的ビーム走査方式のランダム走査ラマン顕微鏡「RAMANwalk」の発表会は、残念ながら余儀なく延期することになりましたが、受注は開始しています。ぜひ、お問い合わせください。「RAMANwalk」以外のすべての製品も、様々な特典とキャッシュバックによる「ウイルスに負けないぞ!キャンペーン」中です。ウイルス感染と緊急事態宣言による経済停止は深刻な事態を生み出しましたが、まさにDisruptive Innovationのチャンスとなりました。

皆さんもどうか、Stay safe, stay healthy!!

2020年4月24日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長・社長  河田 聡

1/ 1/20 第15回会長室から 新年のご挨拶『世界と日本』

代表取締役  河田 聡       

新年明けましておめでとうございます。2020年もよろしくお願いします。

令和の時代を迎えて、産業界や科学界がますますグローバル化しつつあるように思います。その中で、日本のプレゼンスの低下がしばしば話題になります。いわゆる90年頃のバブル崩壊がきっかけだと言われます。同時期に世界ではソビエト連邦が崩壊して新たな共同体EUが設立され、中国が台頭するなどの新しい流れが生まれました。日本ではその流れ・風を感じることなく、内向けの議論や政策が続きました。

日本ではいま少子・高齢化が最大の関心事ですが、世界では爆発的な人口増加が大きな課題です(現在77億人)。人口の爆発的増加は、地球規模で多くの深刻な問題を生み出します。伝染病・感染症が蔓延し、海洋汚染や大気汚染によって地球規模の環境破壊が進み、憎しみによる内戦やテロが増加します。私たちは、もっと世界に目を向けたいと思います。国の政策も産業界や教育界も、国内にだけ目を向けているような気がします。独自の進化を続けてガラパゴス化が進みます。

ナノフォトンは日本発・世界初をスローガンに、世界に貢献する日本発のハイテク・スタートアップとして設立されました。創立から17年を経ていま、大きな転換期を迎えています。様々な困難を克服して売上・利益ともに高成長を続けており、新たな転換を図っています。昨年は新製品の開発と発表、販売の協業、製造体制の改革、未開拓地域での販売網の確立などの挑戦を行いました。

世界唯一のラマン顕微鏡専業メーカーとしてさらなる研究開発を進めて、地球規模での課題解決を目指す世界の人たちに貢献する企業としてさらなる成長を遂げたいと考えています。より一層のご支援をお願いします。

2020年1月1日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長 河田 聡

8/26/19 第14回会長室から『タクシーが消える日』

代表取締役会長 河田 聡

先日ようやく、Uberを利用しました。San Diegoのホテルから空港まで乗りました。iPhoneのアプリに行き先を入れて車の種類を選んで承認ボタンを押したら、車が2分で到着。事前に、車の位置と目的地までの経路・料金はもちろんのこと、運転手の名前や写真、車のライセンスナンバーなどがiPhoneの画面に現れます。食べログなどと同じように、これまでの乗客による評価や点数も出ます。評価されているのでタクシーは清潔で安全、運転手さんは親切でした。先月に行ったモスクワとサンクトペテルブルグでも、すでにこの新しいシステムに代わってしまっていて、町からタクシーはいなくなっていました。そのうち世界中からタクシーは消えてしまうかもしれません。

日本では、このようなビジネスは白タクだと見なされて、認められていません。それらしいアプリはあるのですが、実態はタクシーの迎車と同じです。呼べば、タクシー会社のタクシーが来ます。料金はタクシー運賃です。日本では、ナンバープレートが緑の車(タクシーやバス)しかお客さんを運ぶことができないのです。既得権益者を守り、チャレンジャーには厳しい社会です。

私が小学生の頃(電車運賃が10円、タクシーは初乗り百円の時代)、家に自動車がある子などクラスに一人もいませんでした。だから車を運転するタクシーの運転手は、子供たちにとってちょっとした憧れの存在でした。彼らに求められたことは、単に自動車を運転できるだけではなく、地域の地図・道路や交通事情をよく知っていて、かつ道路交通法を遵守して安全運転することできることでした。運転手さんは第二種免許が必要で、タクシー事業には国からの認可が必要です。

いまでは自家用車の普及率は一家に1台以上になり、運転は特殊な技能ではなくなりました。オートマチック車が主流になりクラッチ操作がなくなり、タイヤはパンクしなくなり、毎朝ボンネットを開けてラジエータの水やオイルチェックをすることもなくなりました。最近の車はセンサーやカメラが付いていてパーキングも容易です。ハンドルを握らなくても走る自動運転の車も実用化されました。初めての街でも、ナビやiPhoneの地図が目的地まで案内してくれます(Google Mapの正しい使い方です)。いまや、車運転ができる人なら誰でもタクシーの運転手になれそうです。Uberは、このようなIT技術と自動車の革新的技術進歩に支えられて、必然的に生まれてきたサービスと言えます。

すでに世界中でこのサービスは普及しており、あらゆるところにUber運転者がいます。車を運転できる人は街中や村のあらゆるところにいますので、日本以外の国ではどこにいてもUber車がすぐに来てくれます。iPhoneさえあれば現金やクレジットカードの所持も必要ありません。チップもアプリで下車後に払えますし、レシートもiPhoneに保存されます。

タクシーを使う時のイライラといえば、タクシー乗り場の長い列、高い乗車料金、雨の日にタクシー会社に電話がつながらないこと、近距離乗車の乗車拒否、遠回りをされるのではないかという不安などでした。Uberシステムこれらの全てが解消されます。スマホ、アプリ、4Gなど、最先端のITテクノロジーが既存産業と管理規制を超えてしまったのです。まさにシュンペーターの創造的破壊です。

触発されました!

最先端テクノロジーが既存産業と管理規制の常識を超えて、新しい製品を開発し市場に提供する、ナノフォトンが目指してきたことです。もう一度原点に戻って、最先端の技術やサービスを駆使することによって、従来の製品よりもはるかに安くて安全で便利で使いやすいラマン顕微鏡を開発し、市場に提供していきたいと思います。

2019年8月25日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長  河田 聡