顕微鏡に試料をセットするときにはどのような点に注意すればよいのでしょうか? また、素早くピントを合わせるためにはどうすればよいでしょうか? 要点を押さえておくことで、短時間で正確にピントを合わせることが可能になります。

顕微鏡(正立)の使い方

試料をセットする

試料をセットするときには、対物レンズを最低倍率にします。また、ステージは一番下に下げておきます。 準備した試料をスライドガラスに載せ、ステージ上にセットします。

レンズの真下に試料の測定したい領域が来るように、試料またはXYステージを移動します。 このとき、反射照明光を利用するとレンズの真下を目視で判別しやすくなります。

ピント調整の手順

目視で可能な限り試料表面を対物レンズに近づけます。 照明光強度を調節し、ステージを下げながら焦点位置を探します。 これにより、対物レンズと試料の衝突を防ぐことができます。 試料が透明であれば透過照明を使うことも可能です。 異物などがある場合はコントラストがつくので判別しやすくなります。

低倍率でピントが合えば、順次、倍率を高くしていきます。 対物レンズの変更は対物レンズレボルバーを回してください。 対物レンズ自体を持って回さないようにしましょう。

素早い焦点の合わせ方

ピント調整時の目印

ピントを合わせるときには試料の端面(エッジ)やごみなどを利用します。 高倍率のレンズで測定する場合でも、低倍率からピントを合わせることで結果的に短時間で合わせることができます。

レーザー光を用いた焦点合わせ

光学顕微鏡像で大まかにピントを合わせた後、最後の微調整(焦点合わせ)をレーザー光を用いて行います。 最低出力としたレーザーを照射し、そのスポットサイズが最小になるようにステージを上下に調整します。 測定を繰り返していると、試料を動かしていなくてもレーザー光による熱によって焦点がずれることがあります。 そのため、測定前には一度レーザー光の焦点が合っているか確認すると確実に測定ができます。

透明なサンプルでのピントの合わせ方

また、透明なフィルムや、観察窓越しのサンプルなどの場合、焦点合わせには注意が必要です。というのも、複数回焦点が合う位置があるためです。 たとえば、透明なフィルムなら、フィルムの表側と裏側で合計2回焦点が合います。 観察窓越しにサンプルを測定する場合は、観察窓の表側、裏側と試料表面の合計3回焦点が合います。 これらの場合も、基本は同じで、対物レンズとサンプルを目視で可能な限り近づけた後、ステージを下げていきます。 一回目に焦点があった位置が、おそらくサンプルで一番深い側になるでしょう。 この位置を基準とし、ステージをさらに下げていって、焦点の合う位置と回数を確認して、 一回目の焦点位置を特定します。 もし、1回目の焦点位置が一番深い側になっていなかった場合は、そもそも焦点を合わすことができないぐらいの厚みがあると考えます。 無理に焦点を探そうとすると、対物レンズをサンプルに当ててしまう可能性があるので、やめましょう。