試料加熱下でのGeラマンイメージング
励起波長 | 532 nm |
対物レンズ | 10倍 (NA=0.30) |
スペクトル数 | 2,000(200×10) ※画像はその一部 |
測定時間 | 11分 |
上図は触媒金属誘起固相成長(Metal Induced Crystallization: MIC)法により結晶化したゲルマニウムを、400℃の温度下でラマンイメージで観察した例です。 SiO2/Si基板上に形成された非晶質ゲルマニウムが金を核として結晶成長している様子がラマンイメージからわかります。 ラマンスペクトルから、結晶ゲルマニウム(赤)、非晶質ゲルマニウム(青)およびその中間相(緑)と明確に判別することが可能です。
Auを核とした結晶Geの成長観察
ラマン分光法では、試料加熱下のその場観察を行うことができます。 下図は、試料を20℃/分の昇温速度で加熱しながら、金を成膜した触媒部から結晶ゲルマニウムが成長していく様子を結晶ゲルマニウム強度のラインプロファイルで観察した例です。 試料温度が上がるにしたがって、結晶ゲルマニウムの領域が図中の右側に向かって広がっていく様子がわかります。
(参考)触媒金属誘起固相成長(MIC)法について
IV族半導体薄膜を低温で形成する固相成長技術です。 これは、非晶質半導体薄膜上に蒸着された触媒金属を核として、平面方向に結晶化を誘起させる手法です。 結晶化のために高温プロセスが使えないガラス等の基板上でも結晶半導体薄膜が得られるため、高性能なシートコンピュータを実現する低温プロセスとして注目を集めています。
※本サンプルは、熊本高等専門学校 情報通信エレクトロニクス工学科 准教授 角田功 様よりご提供頂きました。