不活性雰囲気ラマン測定用密閉容器 LIBcell

不活性雰囲気を手軽に安定的に維持

本体は腐食に強いステンレス製、窓材は厚さ1mmの石英で構成されています。ふたを重ねて3カ所の蝶ネジを締めるだけで、密閉状態を維持。自由のきかないグローブボックス内の作業にも配慮された設計になっています。不活性雰囲気を手軽に安定的に維持しながら、試料のラマン分光測定が可能です。 (特許出願済)

試料室のサイズはφ10mm/深さ 1.5mm。厚みのない試料はスペーサーなどを用い、観察部位を窓材に近い位置へ持っていくことが設置のコツです。

Application note
→リチウムイオン電池負極の非大気暴露ラマンイメージング

気密性の評価

リチウム金属片を試料にして、LIBcellの気密性を評価。LIBcellでは、24 時間経過後もラマンスペクトルに変化は見られず、気密性が維持されていることが分かります(左)。一方、大気下では、暴露5 分後にはすでにLiOH に由来するピークが現れ、次第にLi2CO3 も生成してきました(右)

不活性雰囲気下での分析例

充電した負極の還元状態を保持したまま測定することが可能です。大気下ではすぐに自然酸化が進んでしまいますが、LIBcell を用いれば還元状態を安定的に保持できます。たとえば、充電条件の違いによるわずかな差を比較することも可能です。

左:充電後の極板をアルゴン雰囲気下でLIBcell に封入して、測定した場合。充電前後のスペクトル変化が、10日後も保持されています。
右:充電後の極板を大気下で測定した場合。スペクトル形状の変化(↓)から、試料が大気の影響を受けて刻々と変化していることが分かります。