会長室からChairmans Office

第25回会長室から

『いつも学生が活躍する会社』


6月16日にナノフォトンで働くアルバイト・インターン学生向けに「起業と株式会社とナノフォトン」の勉強会を本社ショールームで行いました。私が話題提供をし、学生たちからはたくさんの質問がありました。

ナノフォトンではいま、8人の学生インターン・アルバイト生が働いています。これまでも大勢の学生がナノフォトンで働いてくれました。分野は応用物理学、精密工学、ビジネス・エンジニアリング、情報科学、外国語学、かつては機械工学や電気電子、マテリアル、生命機能などまさにdiverseしています。

卒業後あるいは博士取得後もそのまま残って、ナノフォトンに就職した学生も大勢います。なぜ彼らは大企業に行かずにこんな弱小企業に入ってくれたのでしょうか?大企業では新入社員はそれぞれ社内の各部署に配属されて、そこで歯車のひとつになります。ナノフォトンでは社員はとりあえずどこかの部署に属するものの、その部署は自分ひとりだけであることが多く、責任重大です。

指示通り動くことやチームプレーが苦手で、自ら考えて企画して行動することを好む人には、中小企業やスタートアップは能力を発揮しやすいだろうと思います。社員数が少ないので、経営陣や他部門の人とも日常的に議論できるので、会社全体が見渡せます。博士(あるいは博士中退)はいま大企業にはあまり歓迎されていないようですが、ナノフォトンのような最先端科学を駆使するスタートアップには向いていると思います。

ナノフォトンは2年半前に阪大の吹田キャンパスから箕面船場の街に出ましたが、その場所は新しくオープンした箕面キャンパスの向かいで吹田キャンパスからも自転車で通える距離です。スタートアップはいつまでも学生や研究者との交流が大切です。シリコンバレーのベンチャー企業も大学発と言うよりは、大学の学生や出身者と一緒に街と文化を育んでいると言えます。だから巨大グローバル企業になってもシリコンバレーから離れません。私たちもシリコンバレーならぬフォトニクスヒルズの1号企業として、この地に根を下ろしていきたいと思っています。

ベンチャーが世界を支えるこれからの時代は、就職とは自分で会社を興すことになるだろうと思います。そのためには学生はまず、ベンチャー企業の事業はもちろん、経営、財務、HRなどを学ぶことが必要です。学生アルバイト・インターンとの交流会ではこのようなことをお話ししていこうと思っています。次回は8月30日です。これまでナノフォトンに来られたことのない学生やポスドク、若手教員の方々の参加も歓迎します。

2023年7月23日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長 河田 聡