会長室からChairmans Office

第20回会長室から 
『正月考』


新年明けましておめでとうございます。

今年からアメリカの学会Opticaの会長をしています。昨年、学会名(Optical Society of America)からAmericaと言う言葉を抜いて、世界(global)の学会を標榜しています。毎週の定例zoomの打合せで「私たちはいまやグローバルな学会だから、クリスマスだけじゃなくて旧正月も休暇にしましょう」と言われました。「日本は、いまはもう旧正月はお休みではなくて、お祝いもしないよ」と説明したら、「いつから?」「5年ぐらい前から?」。「いやいや、最近ではあるけど、150年前からです!」

世界の中で新暦のお正月を祝うのは、もしかしたら日本だけかもしれません。中国・香港はもちろん、台湾も韓国もベトナムもモンゴルも旧正月を盛大に祝います。イスラム教では9月頃です。たった150年の歴史とは言え、マイノリティーであることにちょっと誇らしい気分になりました。

世界はモザイク模様で、しかもフラクタルです(細かなところではさらに細かく分かれること)。30年前に東西ドイツの統一から始まりヨーロッパがEUとして統一され、今は中国が国家統一を主張します。一方、バルト3国はそれぞれ独立国家として復活し、ユーゴスラビアは多くの国に分割、イギリスもEUを離脱しました。離合集散は永遠に続くのでしょう。その中で独自のお正月休みをもつ日本は、学期の始まりも世界に類を見ない4月1日です(ただし4月1日生まれは前年度の学年です)。これもそんなに歴史のあることではないのですが、独特です。

多数と異なることは間違ったことではなく、誇らしいことです。ナノフォトンは、世界で唯一のラマン顕微鏡専業メーカーです。そして、コロナ騒動の中でも独自の活動を続けています。東京・虎ノ門と大阪・箕面のショールームは平日は毎日オープンし、実機を展示・デモ測定をしています。マスクをしてでも外してでも、ラマンの世界の実体験にお越しください。

今年もご支援よろしく、お願い申し上げます。

2022年1月1日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長 河田 聡