第30回会長室から 
『正夢』


新年明けましておめでとうございます。

「為替」っていったい何なんだろうと、悩んでいます。「株価」や「地価」は会社や土地の価値を示すと思うのですが、「為替」は日本の相対的な国力を示しているでしょうか?どの通貨と比べてみても、以前と比べて円だけが安くなりました。日本の価値が、たった1,2年で急落したということなのでしょうか?

最近、アメリカ、オーストラリアなど海外に行くと、ホテルもタクシーもレストランもマクドナルドもなにもかも驚くほど高くなっています。その結果、日本からの観光客や学会参加者が世界から消えてしまいました。海外から来るお客さんにとっては、日本はお店のランチもホテル代も電車賃も何でもかんでも安くて、日本の土地やマンションまでもが安く見えます。そして、日本でもホテル代もタクシー代も値上がりし、マンション価格は高騰します。消費者はみんな苦しんでいるはずなんですが、この円安為替のお陰でトヨタなどの自動車会社は空前の利益を出しています。ナノフォトン東京オフィスのある虎ノ門や麻布台では、空前のオフィスタワー・ラッシュが起きています。そこに、高級ホテルやレストラン、レジデンスが併設されます。そんなにオフィスが増えて誰が借りるのだろうと不思議です。

為替レートに左右されることなくビジネスを展開していくには、ビジネスを日本だけにして生きていくか、逆に日本を超えてグローバルに展開するかの選択を迫られます。昨年の11月2日に中之島のリーガロイヤルホテルで開催したナノフォトン20周年記念パーティーの挨拶の最後に、私はナノフォトン2.0計画を披露しました。それは、ナノフォトン製品を「世界で製造して世界で販売すること」と、その設計・開発は「日本の大阪を拠点とする」ことでした。まさに、ナノフォトンの設立時の夢である「日本発・世界初の研究開発会社」を目指します。

ナノフォトン2.0が正夢となるよう、ますますのご支援をお願い申し上げます。

2024年1月1日
ナノフォトン株式会社
代表取締役会長兼社長 河田 聡