メールマガジンEmail Magazine

職場リポート
阪大から飛び立って2カ月


ナノフォトンが、創業の地である大阪大学吹田キャンパスを飛び立ってから、2カ月以上がたちました。引っ越し直後はオフィスの片隅に段ボール箱が残っていましたが、今ではきれいに片付き、社員のみんなも新しい環境にすっかり慣れた様子です。カメラを片手に社内を巡り、新オフィスの居心地や来年度に向けた抱負を聞きました。(メルマガ編集長/フリーライター・根本毅)

藤原健吾・取締役専務(手前)

「新オフィスは気に入ってます」と笑顔で話すのは、藤原健吾・取締役専務。「以前は研究室が集まる大学の一角に会社があったわけですが、そこから飛び立ち、自分たちの場所を得ました。社員の席をフリーアドレスにしたり、ショールームを開設したりと、広い空間を自由に使っています。ゆとりがあるため、さまざまな発想が生まれてくると思います。また、大学の外に出て、お客さまには距離的にも心情的にも近くに感じてもらえているようです」と、移転の効果を強調します。

今回の移転とショールーム開設は、新型コロナの状況下で行われました。当然、リスクはあったはずです。藤原専務は「その状況下で意思決定できたのはよかったと思います。一定の売上は確保できたものの、コロナのため営業活動が制限され、売上にも影響がありました。しかし、忙しい時だったらこれほどスムーズには移転できなかったかもしれません。ラマン顕微鏡のマーケットは広がってきています。コロナが収束した後、お客さまがラマン顕微鏡の購入を考えた時に、ショールームで検討していただく態勢を整えることができました」。

来年度は、販売台数を拡大する中期計画(5カ年)の2年目に当たります。「今年度はコロナでかがんでいた分、来年度は一気にジャンプする年にしないといけません」。藤原専務はそう話しました。

ウエハーステージ搭載ラマン顕微鏡「RAMANdrive」を示す青木克仁さん

この日は、東京ショールームの青木克仁さんの姿もありました。東京には置いていないウエハーステージ搭載ラマン顕微鏡「RAMANdrive」を使いオンラインでデモ測定をするため、初めて大阪ショールームを訪れたそうです。新オフィスはいかがでしょうか。

「東京からのアクセスが以前より良くなり、新大阪で新幹線を降りてからの所要時間が20分ほど短縮されました。オフィスは明るくオープンな雰囲気だし、広くていいですね」

東京は新型コロナで緊急事態宣言が続いています。昨年からの新型コロナ禍でオンラインでの打ち合わせが増え、移動がなくなって生じた時間はラマン顕微鏡でサンプルを測定するなどお客さまのために有効に使っているそうです。「でも、お客さまに実際に装置を見てもらい、使い方や応用例を知っていただくのが一番大切。新型コロナは早く収束してほしいですね」と話していました。

会長秘書の鳥羽信根さん(右)と下出愛さん

新オフィス周辺はどんな様子でしょう。会長秘書の鳥羽信根さん、下出愛さん、そして管理部門のアシスタントを務める井上理恵さんは、毎週金曜日を「外食デー」と決め、3人で食べ歩きをしているそうです。下出さんは「大学の中にいた時より、おしゃれな店が多くて」。鳥羽さんも「4月に大阪大学箕面キャンパスが開学し、5月には複合施設がオープンします。学生が来たら、街は変わるかな」。ナノフォトンをさまざまな面でサポートする3人は、昼休みを楽しんでいます。

製造・サービスGMの塩崎祐介さん

製造・サービスGMの塩崎祐介さんは、移転に伴い、通勤が徒歩からマイカーに変わりました。現在、原付バイクでの通勤を検討しているそうです。移転は、「阪大内に部屋を借りた阪大発ベンチャーというイメージを脱し、見栄えのするショールームを構えるようになりました。これは、『さらに成長する』という、社内外に対するメッセージになっていると思います」。

来年度の抱負を尋ねると、「より効率的に装置を作ったり、自動化を進めたりと、販売台数の拡大に対応できるように製造やサービスの仕組みを作っていきます」とのことでした。

ショールームやオフィスと少し離れた場所にあるR&Dセンター。扉の奥で、研究開発が行われている。「ナノフォトンの技術の中枢なので、あまりお見せできませんが……」と、研究開発担当の齋藤広大さん。

研究開発を行うR&Dセンターも一緒に移転しましたが、ショールームやオフィスとは少し離れた場所にあります。

中に入ると、研究開発担当の齋藤広大さんが、今後ショールームに展示する予定の紫外・深紫外ラマン顕微鏡「RAMANtouch vioLa」を見せてくれました。RAMANtouch vioLaは、紫外・深紫外レーザーを外部に取り付けます。ナノフォトンのR&Dセンターには現在3種類のレーザーがあり、用途に合わせて選んでいます。装置内部には可視光レーザーも搭載されていて、可視光と紫外光の切り替えがすぐにできる機能も付けているそうです。

近くショールームに展示される予定の紫外・深紫外ラマン顕微鏡「RAMANtouch vioLa」。右側に見えるのが3種類の紫外レーザー。

この装置の近くでは、新製品の研究開発が行われています。近い将来、研究成果を紹介できると思います。

前回の最後に「次回は、この自由研究をさらに深められないか、考えてみます」と記しましたが、掲載は次回以降にさせていただきました。しばらくお待ちください。