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代理店
最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS2021」が11月8日~10日、千葉県の幕張メッセ国際展示場で開催されました。ナノフォトンは今年はブースを開設せず、代理店の池田理化のブースで製品を展示しました。セミナー(新技術説明会)も、池田理化の枠で「必見!ナノフォトン社の“使いやすさ抜群”のラマン顕微鏡による有機材料分析の世界」や「ナノフォトン社ラマン顕微鏡による“実は知られていない”ラマン顕微鏡の優位性」と題して発表しました。
池田理化は、今年で創業90年を迎えた老舗です。ナノフォトンやナノフォトンの製品をどう見ているのでしょうか。東京都内の池田理化本社を訪ね、戦略営業部技術推進グループの三森直紀課長に話をうかがいました。(メルマガ編集長/フリーライター・根本毅)
──池田理化はどういう会社か、自己紹介をしていただけますか?
今年で創業90周年の理化学商社です。今はバイオサイエンス分野の取り扱いがいちばん大きくなっていますが、もともとはビーカーなどを販売するガラス器具店から始まりました。近年は、消耗品から大きな機器まで幅広い研究分野の製品を取り扱っています。土地と人以外は全て販売しています。
私が所属する技術推進グループでは「インダストリアルプロジェクト」を進めています。このプロジェクトは7年半前、研究開発全体に活躍の場を広げていこうという代表取締役の意向で始まりました。分析機器や管理システム、大型の製品を販売していくことによって、市場を作っていく目的です。バイオサイエンスに加えて、柱をもう一つ形成しようと取り組んでいます。
──ガラス器具店からスタートし、事業を拡大していったのですね。
日本で初めてPCR装置を販売した会社だと聞いています。1990年代にバイオサイエンス市場にかじを切り、会社は大きく成長しました。
──ナノフォトンとの付き合いは長いのでしょうか。
2014年に知り合い、話をさせていただいたのが最初です。7年半前に我々のインダストリアルプロジェクトがスタートしたばかりの頃です。
我々は当時、バイオサイエンス分野でさまざまな分析機器を取り扱っていましたが、化学工業系というインダストリアル分野に関してはお付き合いのあるメーカーがありませんでした。未知の分野にどう入っていったらいいか考え、特徴がある製品を探すことにしたのです。そうして、ナノフォトンの製品を知りました。同じラマン顕微鏡と呼ばれる製品のなかでも、空間分解能の高さや測定スピードの速さなど、調べれば調べるほど興味を持ちました。それで、我々の方からアタックしました。
──そういう経緯なんですね。その後、代理店の話が進んでいったのですか?
最初は相談ベースだったのですが、2016年からJASISに製品を置かせていただき、お付き合いが深くなっていきました。
──ナノフォトンをどう見ているか、詳しくお聞かせください。
私の目線から申し上げると、「技術に絶対的な自信を持っている会社」という印象が強いです。ぶれない姿勢が非常にありがたいですね。空間分解能の高さや測定スピードの速さなど、お客様が「おっ」と思われる差別化ポイントがしっかり組み込まれています。こうしたところが非常に魅力的です。同業他社から警戒されていることをひしひしと感じます。
ナノフォトンの製品をご存じないお客様もいらっしゃるのですが、我々が提案して製品を知っていただくと大変興味を持たれる、という場面にはよく出くわします。知らなかったことの反動ですね。「知らなかったけれど、この製品ってすごいんだな」となった時は、やっぱり目が向きます。
──なるほど。知っているメーカーが良い製品を作っている場合と比べ、全く知らない会社がすごい製品を作っているんだという方が、ギャップがあってファンになっちゃう。
はい。プロゴルファーの渋野日向子さんのイメージですよ。「いきなり出てきて、うわ、すごいな」と取り上げられる。そういう感じです。
──ラマン顕微鏡のマーケットをどう見ていますか?
ラマン顕微鏡以外の分析機器はほとんどが古くからある製品ですので、新規導入というより更新検討、要するに買い替え需要の方が圧倒的に多いと言われています。一方、ラマン顕微鏡はこれから新規導入が進み、性能も上がっていきます。市場はさらに拡大していくと思いますので、楽しみですね。
新型コロナがなかったら、もっと順調に伸びていたと私は思っています。出社できずに製品の検討そのものが止まったり、新型コロナで打撃を受けた業界でラマン顕微鏡の導入が低調になったり、ということがありました。
──ラマン顕微鏡市場の将来性はどう見ていますか?
私としては、ほかの製品との関連性と独自性がうまくミックスしていけば、もっと広がる可能性が高いとみています。その点ではナノフォトンが1番手だと思っているので、力を入れたいですね。
──インダストリアルプロジェクトについて、詳しく教えてください。
化学工業系がいちばんのターゲットです。化学材料というのは、医薬品も含めてさまざまなものの材料になるので、全ての原点だと思っています。化学産業が伸びないと、我々の生活の豊かさには返ってきません。このため、理化学商社として化学工業を強化していこうと考えています。
我々は、ライフサイエンス分野の製品を長く取り扱ってきていて、品目も多いんです。それを、化学工業系にも使ってもらおうとしています。同じ企業、研究所でライフサイエンスもあり、化学系もありというお客様は多いんです。
──インダストリアルプロジェクトで、ラマン顕微鏡はどのような位置づけになりますか?
研究開発、分析・解析、品質管理など技術系の部署でしたら高い確率でどこも使える製品というのが、ラマン顕微鏡の位置づけですね。化学材料系のユーザーをメインにしていますが、日本のいちばん得意としているのが機能性材料、つまり、ある材料に付加価値として機能を持たせた材料です。
例えば、プラスチックの板に薄いフィルムを貼ることによって、見えるものが違ったり、傷つかなくなったり、耐熱性が得られたりと、いろいろな機能を持たせられます。この薄いものを研究者は見たいんです。実際にお客様から「見られる装置がなかなかなくて、ラマン顕微鏡に注目している」という声をお聞きしました。ラマン顕微鏡は、お客様の悩み事を解決するための有効な手段になっています。
──今後、ナノフォトンにはどのような期待をしていますか?
我々は、ナノフォトンがラマンの世界で第一人者になっていくお手伝いを積極的にさせていただきます。ナノフォトンはナノフォトンで製品の良さを追求していくでしょうから、末永く協業していきたいと考えています。