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第71回応用物理学会春季学術講演会
第71回応用物理学会春季学術講演会が東京都市大学で開催されました。毎年約7,000名が参加する講演会は大盛況でした。ナノフォトンからも複数の社員が参加し、当該分野の最新の知見を取り入れました。また、第7回光工学功績賞(高野榮一賞)の受賞にあたり、河田聡会長が受賞記念講演を行いました。その後、表彰式もありました。今回は、講演会の現地の模様をお伝えします。(メルマガ編集/原田亮)
4,000件におよぶ講演と、20〜30件のシンポジウム
応用物理学会では、毎年、春と秋に学術講演会を開催されており、春季は例年約7,000名が参加し、4,000件におよぶ講演と活発な討論が行なわれます。天候はあまりよくありませんでしたが、今回も多数の研究者の皆さんが参加され、会場は大盛況でした。
応用物理学会の講演会には、各専門分野の通常講演(大分類・中分類内の発表)以外に、最近話題のトピックや注目度の高いトピックを扱う「シンポジウム」があります。講演会では,毎回20〜30程度のシンポジウムが開催されます。
R&Dに強みを持っているナノフォトンは、大阪大学との連携をはじめとして、こうした講演会や学会に積極的に参加することで、常に最新の知見を取り入れ、R&Dに磨きをかけています。今回も、ナノフォトンから複数の社員が参加し、当該分野の知見を深めました。具体的には、ナノフォトンが得意とする光学・フォトニクス分野だけでなく、最近話題となっているAI・エレクトロニクスや、ナノカーボン・二次元材料、ワイドギャップ半導体などのセッションに参加し、新たな装置開発やラマン顕微鏡アプリケーション開発にとって有益な情報を得ることができました。
第7回光工学功績賞(高野榮一賞)授賞式
また、今回の講演会の中で、第7回光工学功績賞(高野榮一賞)の授賞式も行われ、表彰委員会の梅田委員長から、「河田氏は一貫して光学・分光学、とりわけ顕微鏡・分光分析・ナノフォトニクスの分野で、類い希な研究成果を多数挙げ続け、起業を通してその成果を社会還元するとともに、光学コミュニティーにおける世界的な活躍を通して光工学の発展に大きく貢献しており、光工学功績賞受賞者にふさわしいと認められます。」とのコメントをいただきました。その後、応用物理学会の木本恒暢会長より、河田会長へ表彰状が授与されました。
表彰式に先立つ受賞記念講演では、河田会長が「近接場光学とプラズモニクス」というテーマで講演を行いました。光学顕微鏡の空間分解能を向上させる手法として、短波長の光源や高屈折率の材料を利用することが主流であった時代に、金属(プラズモン)を利用するというdisruptiveな(破壊的な、常識に捉われない)手法を提案するに至った経緯が分かりやすく説明されました。現地参加およびオンライン参加を合わせて200名近い多くの皆さんが、熱心に聞き入っておられました。
今後も、ナノフォトンは各種学会に積極的に参加し、最新の知見をその技術力に反映させてまいります。