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JASIS2022出展
赤外分光×ラマン分光=?


 分析機器、科学機器メーカーが集う「JASIS2022」が9月7日から3日間、千葉市の幕張メッセ国際展示場で開催されます。ナノフォトンも一般展示(ブース位置:6B-406)と新技術説明会で情報発信します。ぜひお立ち寄りください。
 注目は、2日目の新技術説明会で株式会社池田理化が企画する「“赤外分光(パーキンエルマー)×ラマン分光(ナノフォトン)”による最高峰の顕微イメージング連携の世界!」。ナノフォトンの担当者は「赤外分光とラマン分光は互いに弱点を補い合う関係にある。同じサンプルをそれぞれのハイエンド機で測定し、両社の担当者がプレゼンします」。コラボ企画の行方が楽しみです。(メルマガ編集長/サイエンスライター・根本毅)

昨年のJASISで、隣り合わせに展示されたナノフォトンのレーザーラマン顕微鏡(左)とパーキンエルマーの顕微FT-IR

テーマは「今まで見えなかったものが見える!」

 JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)は、日本分析機器工業会と日本科学機器協会が主催する最先端科学・分析システム&ソリューション展です。

 ナノフォトンが今回のJASISで掲げるテーマは、「今まで見えなかったものが見える!」。ブースにレーザーラマン顕微鏡RAMANwalkの実機を展示し、実際に測定・解析をしながら操作性を体感していただきます。また、代理店の株式会社池田理化のブースではレーザーラマン顕微鏡RAMANtouchのモックアップ展示を行い、デザインやサイズが確認できます。

新技術説明会

 ナノフォトンが関係する新技術説明会を紹介します。

9月7日
 12:00~12:30 池田理化 A1会場(定員54名)
『ナノフォトン社ラマン顕微鏡で有機材料をのぞいてみた~ポリマーから食品まで~』

9月7日
 14:00~14:30 ナノフォトン A9会場(定員54名)
『ナノフォトンのレーザーラマン顕微鏡は道具として使えるメンテナンスフリーの装置に進化していた』

9月8日
 12:45~13:45 池田理化 A10-11会場(定員100名)
『JASIS初公開 !“赤外分光(パーキンエルマー)×ラマン分光(ナノフォトン)”による最高峰の顕微イメージング連携の世界』 

9月8日
 14:45~15:15 ナノフォトン A9会場(定員54名)
『ケミカルイメージングはここまで進化している。ナノフォトンの最先端のレーザーラマン顕微鏡を使ってポリマーを観察してみよう !』
 最先端のラマン顕微鏡を使えば、ラマン経験者はもちろん初心者の方でもケミカルイメージが簡単に取得できます。ポリマーのさまざまなケミカルイメージングの方法を、動画も交えて紹介する予定です。

9月9日
 15:45~16:15 ナノフォトン A1会場(定員54名)
『ナノフォトンのレーザーラマン顕微鏡による食品のケミカルイメージング』
 食品のラマンイメージングは、簡単に食品の構造を分析できるツールとして食品研究で大活躍中。メルマガで掲載した事例も含め、身近な食品のケミカルイメージングをたくさん紹介します。

 「今回最も前評判が高く、既に多くの問い合わせが入っています」(担当者)というのが、8日の「JASIS初公開 !“赤外分光(パーキンエルマー)×ラマン分光(ナノフォトン)”による最高峰の顕微イメージング連携の世界」。両社がさまざまなサンプルを事前に測定して当日に臨み、赤外顕微鏡とラマン顕微鏡でどのような違いが出て、どちらの方法を選択するのがいいかを両社の担当者が討論します。

「赤外×ラマン」のコラボ企画の趣旨は?

 赤外顕微鏡とラマン顕微鏡それぞれの分野で世界最高峰のメーカーが初めてコラボした注目の企画。ナノフォトンの担当者に、企画の趣旨を聞きました。

──企画の狙いは何でしょう。

 「ユーザーは、赤外顕微鏡とラマン顕微鏡をどう使い分けたらいいか分からないものです。どんなデータが取れるか知りたい方はたくさんいるはずですが、ハイエンド機での比較はこれまでなかったと思います。そこで、両方を扱う池田理化さんが企画し、パーキンエルマーさんとナノフォトンが協力することになりました」

──赤外分光とラマン分光の違いは?

 「赤外分光は双極子モーメントの変化、ラマン分光は分極率の変化を見ていて、相補的な関係にあります。また、互いに弱点を補い合う関係でもあります。例えば、赤外分光は水を含むサンプルや無機物の測定が苦手ですが、ラマン分光では測定できます。一方、ラマン分光は蛍光が出るサンプルを苦手としますが、赤外分光に蛍光は関係ありません。このため使い分けが重要なのですが、実際のサンプルでどのような違いが出るのか、あまり知る機会がありません」

──コラボの話はいつから?

 「実は、昨年のJASISからです。池田理化さんのブースでラマン顕微鏡と赤外顕微鏡を並べて展示しました。今回は、同一のサンプルでデータをとるなど、時間をかけて準備しています。ご期待ください」