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創立20年
ナノフォトンの歴史2~当時の取締役インタビュー


 20周年の取り組みの一環として、前回のナノフォトン初代社長 大出孝博氏に続いて、今回は、ナノフォトンの取締役を務められ、ナノフォトンの創設時のサポートをしていただいた中野昭一氏に当時の模様を取材させていただきました。(メルマガ編集/原田亮)

中野昭一 氏(元 三洋電機 研究開発本部 副本部長)

現在の中野昭一氏

当時、ナノフォトンと関わることになったきっかけをお教えください。

私は、三洋電機の研究所で、センサーをはじめ太陽電池などの開発をしていました。そこで研究所長をしている際に、河田先生の講演を聞く機会がありました。その際にお聞きした内容に感銘を受けたのを覚えています。その後も河田先生の講演を聞き、大学を革新していきたいというお話が本当にすごいなと思いました。 そこで、若い研究員の刺激になればと思い、河田先生にお願いをして三洋電機の研究所に来てもらって、研究員に向けて講演をしていただきました。それが河田先生と関わる最初のきっかけでした。

そして、2003年に三洋電機を退職後、文科省も力を入れていたその大学改革の取り組みについて、河田先生のお手伝いをしたいと思い、河田先生にお話をしたところ、「ぜひ」ということになって大阪大学の特任教授という形で大阪大学のFRC(大阪大学大学院工学研究科フロンティア研究機構)に行くことになりました。そこで、河田先生の大学改革のサポートをしていました。  
その後、河田先生が、大学の研究の成果が社会に繋がっていないということで、一つの解決する方法としてナノフォトンを起業されました。私も、河田先生がやっておられることは大変重要だと共感して、大阪大学の特任教授をやめて、2004年、ナノフォトンに顧問という形で入りました。民間企業の経験を活かして、少しでもナノフォトンのサポートができればと思いました。

―ナノフォトンではどういったことをされていたのでしょうか?

2004年に顧問、2005年8月に取締役に就任しました。その後、10月に監査役になり、2013年12月まで勤めました。 三洋電機という大企業の経験を活かして、ナノフォトンをサポートしてきました。具体的には、三洋電機で培った研究の進め方やルールなどをナノフォトンに共有していました。他にも、河田先生がオールマイティでどんどん会社を引っ張ってこられたので、私は若手と河田先生の間に入って、緩衝材の役割を果たしていました。また、監査役としてお金の使い方などをしっかりと見てきました。

―当時、ナノフォトンはどういう会社だったでしょうか?

大きな企業のやり方とは違って、会社の皆さんが先生の指示のもとでアクティブに研究を進められているのが印象的でした。民間企業だと上下の関係が強く、その指示がなされるまま流れのもとでやっていますが、ナノフォトンではそれぞれが大学で研究してきた分野の専門家でしたので活力がありました。本当に研究者のレベルが高いというのがナノフォトンです。人数が少なかったこともあり、一人ひとりに求められる役割が大きかったところもあります。

―河田会長はどんな存在でしたか。印象に残っている思い出はありますか?

河田先生は、非常にパワフルで社員にとっては厳しい上司でしたが、先生の技術力や考え方は皆一目を置いておられるので、皆ついていきたいと思っていました。 また、河田先生と一緒に出張する機会がありましたが、目的地に行くときに、どの道を通ったら良いのか、駅でどの車両に乗ったら良いのか、どう行ったら効率的に目的地に着けるかという行動をササっと取られていました。今でいうとナビの情報が頭に入っていたことに驚きでした。加えて、合理的な人である一方で、新しい仕組みを作りながら、それを乗り越えてまた次の仕組みを作っていこうという姿勢がすごいなと思っています。

―今のナノフォトンは当時と比べ、外から見ていてどう思われますか?

順調に発展され、しっかりした会社に成長されました。製品を社会に出して評価を受けるというたくさんの実績が出て、自信を持って活動しているのが伝わってきます。これからは海外進出も目指されておられるようですので、さらに海外に飛躍していって欲しいです。

―最後に、ナノフォトンに一言をお願いします。

日本の科学技術力の評価が落ちていますので、日本の評価を高めるべく志高い会社としてナノフォトンがますます進展して欲しいです。

─中野昭一さんありがとうございました。20年前にナノフォトンに関わられた中で、今なおナノフォトンを想う温かい気持ちが伝わってきました。中野さんの想いをしっかりと受け継いで、現在の従業員一同、さらに飛躍できるように頑張ってまいります。次回以降も、初期のナノフォトンに関わってきた皆さんにインタビューしてナノフォトンの歴史を紐解いてまいります。