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ラマン顕微鏡
初心者が使いこなすまで(その1)


 自分でラマン顕微鏡を使えたらいいのに──。このコーナーでこれまで、社員の方にお願いして包装プラスチックや食品などさまざまな身の回りのものをラマン顕微鏡で測定してきました。「でも、自分で測定してみたい」。その思いがだんだんと強くなり、「操作方法を教えてください」と社内で頼んでみました。少しずつトレーニングしてもらえることになり、今後何回かにわたりその様子をレポートします。初回は、おっかなびっくり装置に触るところから。何と言っても、非常に高価な装置です。ただ、使いやすさを追求しているだけあって、想像よりも簡単に測定できました。(メルマガ編集長/フリーライター・根本毅)

 私は30年近く前、大学院で生物物理学を専攻していて、その時に顕微鏡をのぞいた経験があります。しかし、頭も体も使い方を忘れてしまったようです。だから、顕微鏡はほぼ初心者。ラマン顕微鏡を操作するのは今回が初めてです。

 指導してくれるのは、セールス&アプリケーションズ担当のシニアエンジニア、足立真理子さんです。足立さんには「最終的なゴールは、身の回りの物を自分で測定し、何でできているかを調べたり、条件の違いによる変化を見たりできるようになりたい。具体的には、包装プラスチックの多層構造の成分分析とか、チョコレートの湯煎の温度の違いでチョコレートはどうなるのかの解析ができるようになりたい」と伝えています。「壮大な計画なので、少しずつ進めてほしい」とも付け足しました。

 さて、初回です。ランダム走査コンフォーカル・ラマン顕微鏡RAMANwalkで実際にサンプルを測定し、成分分析にチャレンジすることになりました。サンプルは、足立さんが準備してくれたクリアファイルです。

測定に使った2種類のクリアファイル。ナノフォトンの白いクリアファイルは、生分解性プラスチックを使っている。

 小さく切ったサンプルをスライドガラスに載せ、顕微鏡のステージにセットします。

ステージにサンプルを載せたRAMANwalk

 次に、ピントを合わせるためにステージを上下させます。昔、顕微鏡を使った時には、まず右手で調節ねじを回して対物レンズをギリギリまでプレパラートに近づけ、次に接眼レンズをのぞいてピントを合わせました。中学の理科で習いました。

 しかし、ナノフォトンのラマン顕微鏡は違います。接眼レンズはなく、パソコンの画面を見ながらマウスのホイールで操作します。

マウス中央のホイールでピントを合わせる

パソコンの画面はこんな感じです。

 下の方にある「Wheel Z」の「Mediem」や「Fine」を選んだ後、ホイールを手前に回すとステージが下がります。「V Fine」を選ぶと非常に細かく動かせるので、対物レンズの倍率を上げた場合はこのモードを使います。

 操作方法の詳細は省略しますが、このようにしてピントを合わせた後は、いよいよ測定です。「レーザーパワー」や「露光時間」「回折格子」「中心波数」などのパラメーターを設定する必要がありますが、「測定対象」として代表的な設定が登録されています。まずは登録されている設定で測定し、その後に必要に応じて各パラメーターを変更すればいいわけです。今回は「ポリマーH」を選びました。

 測定したいポイントをマウスで選び、「測定開始」ボタンを押すだけ。ほとんど待つことなく、下の画面のようなスペクトルが得られました。

 この後、スペクトルを保存し、ラマンスペクトルのデータベースと照合するところまで進んだのですが、次回のこのコーナーで詳しく説明することにします。