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社員紹介
サービスエンジニアと営業担当の新メンバー


 今年2月、ナノフォトンに新たなメンバーが2人加わりました。サービスエンジニアの奥谷顕さん(37)と、営業担当の井口真二さん(51)。今回は、この2人に入社の経緯や抱負を聞きました。大学で磁性体の研究をしていた奥谷さんは、実験装置を自分で調整していた経験を生かして成長中。顕微鏡の営業に携わって約25年という井口さんは、自分の知見や経験を会社の役に立てたいと意気込んでいます。2人の力で、ナノフォトンはさらに躍進していきます。(メルマガ編集長/フリーライター・根本毅) 

サービスエンジニアの奥谷顕さん(左)と営業担当の井口真二さん。「ラマン顕微鏡は我々にお任せください」というイメージで、腕を組んでもらいました(大阪ショールームで撮影)

サービスエンジニア、奥谷顕さん

――ナノフォトンでは、どのような仕事をしているのですか?

 サービスエンジニアです。お客様に装置を納入し、動作できる状態にして、仕様通りの性能が出ていることを確認します。そのほか、定期点検と不具合対応も担当しています。

阪大で磁性体を研究

――大阪大学大学院理学研究科の出身だとお聞きしました。どのような研究をしていたのですか?

 磁性体の研究です。試料に強い磁場をかけると物質の状態が変わるのですが、どのように変わっていくのかを調べていました。

――理学研究科だと、「ものづくり」というわけではないですね。

 そうですね。ただ、実験装置は自分たちで組み立てて、調整して使います。私が使っていたのは、電子スピン共鳴装置(ESR)という測定装置です。物質の性質は、電子の振る舞いによってかなり変わります。その電子の状態を調べる手法の一つです。

インタビューに答える奥谷顕さん

 基本的には、いろいろな周波数の電磁波を当てて磁場を変えていきます。すると、特定の磁場で試料がその電磁波を吸収するので、吸収するポイントを追いかけていくことで物質の状態が分かるという仕組みです。

――ナノフォトンには、どのような経緯で?

 ナノフォトンの前は福井大学で特命助教を務めていました。任期が切れるので就職先を探している時に、研究者向けの求人サイトでナノフォトンを見つけたんです。

 ナノフォトンのホームページを見ると、技術がしっかりしているし、創業から20年近く続いて基盤ができているのだと分かりました。しかも、阪大発スタートアップなので、親しみを感じました。

「いずれ研究開発も」

――サービスエンジニアはご自身の希望ですか?

 いえ。応募時は研究開発の担当を志望しました。面接で「今一番必要なのはサービスエンジニア。いずれは研究開発にも携わってほしい」と言われ、サービスエンジニアから始めることになりました。開発に携わるにしても、今の装置のことが分からないと何も分かりませんから。

――入社して4カ月近くたちます。仕事はいかがですか?

 大学では装置をいじりながら実験し、メンテナンスもしていたので、今のサービスの仕事にはなじみやすかったと思います。一方、ラマン顕微鏡とか会社がどう動いているのかとか、全く知らなかったことが新たにどんどん分かってきて楽しいですね。

 感じるのは、社員のレベルが高さです。例えば、装置について誰かに聞くと、深いところまで考えて答えてくれます。そういう人を採用しているのでしょう。私もいずれ、そのレベルに達するつもりです。

 それから、装置のすごさも感じています。大学の実験装置は性能は高いのですが、職人がチューニングした一品ものです。一方、ナノフォトンは性能を維持しつつ、チューニングの手順をしっかり製品に落とし込んで量産しています。感心しています。

――サービスエンジニアとしての腕を磨きつつ、研究開発も希望するという感じですか?

 そうですね。将来、研究開発を任せられたら、サービスエンジニアが仕事をしやすくなるような方向の開発をしたいと思います。

20㌔の散歩をすることも

――少し、プライベートの話もお聞かせください。趣味は何ですか?

 散歩ですかね。何も考えなくていいですから。数カ月に1度くらいですけど、20㌔ほど遠出することもあります。

 それから、学生時代に居酒屋でアルバイトをしていた時に包丁にこだわりが出てきて、和包丁をそろえています。包丁を研ぐのが趣味のようになっていますね。

――包丁の研ぎ方によって食材の切断面がどのように変わるのか、ラマン顕微鏡で見てみたいですね。その時はご協力ください。今日はありがとうございました。

営業担当、井口真二さん

――ナノフォトンに来られる前は、どのような仕事をしていたのですか?

 ドイツの光学機器メーカー「カールツァイス」で14年間、営業の仕事をしていました。その前は代理店で12年ぐらい働いていて、カールツァイスからお話をいただいて転職した形です。カールツァイスは約2年前に退職しました。以前から、50歳で仕事を辞めようと漠然と思っていたんです。

 それでふらふらしていたのですが、妻が「まだ早い。働け」と言い出して(笑)。確かにFIRE(経済的自立と早期リタイア)できる状況でもなく、全く違う業界の会社に営業所長として再就職しました。ところが、しばらくして、コロナの影響で営業所が閉鎖されることになって……。その時には「ちょっとは体を動かしていないとだめだな」と思っていたので、ナノフォトンに応募しました。

カールツァイス勤務時代にナノフォトンと

――なぜ、ナノフォトンに?

 ナノフォトンは以前から知っていました。実は、カールツァイスに勤務していた時、私のお客さんだったんです。しばらくの間、ステージを購入していただいていました。

 就職先を探している時に、ホームページを見ると社員を募集していました。ラマン顕微鏡は扱ったことがなく、難しそうでしたけど、「カールツァイスと同じような業界で顕微鏡に携わる仕事ができれば、自分の知見や経験を生かせる」と考え、トライすることにしました。

――ナノフォトンにはどのようなイメージを抱いていたんですか?

 ベンチャーだと聞いていたので、「長く続いているということは、うまくいっているんだな」と思っていました。

パソコンに向かう井口真二さん

――カールツァイスでは顕微鏡の営業を?

 インダストリー部門で、民間企業や大学工学部のお客様に顕微鏡などを売っていました。3次元測定機や測定用のエックス線CTを販売する部署にいたこともあります。顕微鏡は難しい部分もあるんですけど、やっぱり面白いですね。

――ナノフォトンで顕微鏡の知識が生かせますね。

 長年、顕微鏡でいろいろ見てきた経験があるので、お客様が「なんでこういう風に見えているんだろう」という時にアドバイスができると思います。先日も、フィルムのデモ測定をしている際に、「表面だけでなく3次元的に観察すれば、成分の分散状態が分かります」とお伝えしました。

営業の現場に戻り、楽しさ感じる

――今、仕事は充実していますか?

 同じ業界に戻ってきたこともあり、楽しいですね。昔、お付き合いさせていただいていた代理店さんとの交流も復活しました。動けば案件も増えてくるし、つながりができていくのでやりがいがあります。

 入社してよく分かったのですが、ナノフォトンの製品には競争力があります。非常に可能性のある製品です。あとは自分の営業力次第。力の見せ所です。

 また、ナノフォトンの社員は常識的ないい人ばかりなので、働いていて安心感があります。

――今後の抱負をお聞かせください。

 会社は今、給料を倍増して社員数を2倍にする方針を掲げています。そのためには売上を伸ばす必要がありますよね。会社の成長のために、私の知見や経験を生かしたいと考えています。

自宅のフローリングはDIYで

――最後に、趣味をお聞きしてもいいですか?

 DIYです。コンクリート打ちっぱなしの自宅を建てたのですが、床のフローリングを自分ではったり、扉を自分で付けたりしています。今、8割くらい完成しました。コロナで外に出られなかった期間は、家にこもって作業をしていました。

――扉まで自分で作るなんて、すごいですね。今後も仕事や趣味について、いろいろと教えてください。本日はありがとうございました。