メールマガジンEmail Magazine

米国光学会
新ブランド「Optica」の門出をレポート


 米国光学会(OSA)が名称を「Optica」に変更し、その門出を祝うイベントが11月4日、東京都内で開催されました。Opticaは1916年、米国の地域的な組織として発足しましたが、今では全世界に会員を広げています。来年のOptica会長は、ナノフォトンの河田聡・代表取締役会長兼社長(大阪大学名誉教授)が就任します。また、今回のイベントは、コロナ禍の世界でどのようにしたら時差を克服して国際会議を開けるかという実験でもありました。イベント当日の様子をレポートします。(メルマガ編集長/フリーライター・根本毅)

Optica CEO Liz Rogan氏のあいさつを聴く参加者たち

 今回のイベントの名称は「Rebrand launch event」。新ブランド立ち上げの記念イベントです。米国では11月1日から4日にかけてOpticaの年次総会「Frontier in Optics(FiO)」が開かれ、年次総会最終日に合わせて日本でも会員が集まるイベントを開催した形です。

 会場では、OpticaのCEOや会長らが名称変更の経緯などを伝える動画が流されるなか、40人以上の参加者が続々と集まってきました。

 まず、河田会長が登壇し、イベント参加への感謝の言葉を述べた後にイベントの目的を説明しました。イベントでの言語は英語です。

あいさつをする河田会長

 「イベントの目的はもちろん新ブランド『Optica』の立ち上げを祝うことですが、それ以外にも、いわゆるマルチハブ会議の試みが有効に機能するかどうかの実験でもあります」

 「現在、Opticaの年次総会がワシントンDCでオンラインミーティングで開かれています。私は、ワシントンDCから遠く離れた日本に住んでいる人にとって、オンラインミーティングは非常に苦痛だと訴えてきました」

 「今回のマルチハブ会議では、日本で私たちが昼間に会議を行い、米国の人たちも同じように昼間に会議を行います。2カ所の聴衆が一堂に会するわけではありませんが、日本でアジアのスピーカーによるライブプレゼンテーションを聴き、異なるタイムゾーンのスピーカーによる録画プレゼンテーションを聴きます」

 「録画プレゼンテーションではライブで議論することは不可能ですが、プレゼンテーション後に聴衆同士で議論することは可能です。この実験をやってみたいと思います」

 最初のプレゼンテーションは、スタンフォード大学名誉教授のジョー・グッドマン氏による「Fourier Transforms and Fourier Optics with MathematicaTM」でした。日本時間で、前夜の午前1時半から約50分にわたり行われたオンライン講演を録画したものです。

グッドマン氏の講演を聴く参加者たち

 冒頭、グッドマン氏は「直接会場に行けないのが残念ですが、バーチャルでここに来られたことをうれしく思います。録画を通してこのような機会を与えてくださった河田名誉教授に感謝いたします」と述べ、日本の参加者らは講演に耳を傾けていました。

 続いて、ライブプレゼンテーションは日本大学の吉川浩教授が行いました。タイトルは「Interactive Generation of Full Color 4K Image Hologram」。ホログラムの生成は時間がかかるのが一般的ですが、専門のハードウエアではなく市販のコンピューターを使い、時間短縮に取り組んでいる研究の紹介です。厳密に計算すると2時間かかるところを、50ミリ秒もの短時間で可能にしたそうです。こちらはライブでしたので、会場との質疑応答もありました。

会場からの質問に耳を傾ける吉川教授(中央)

 その後、CEOから届いた動画メッセージが流され、集合写真を撮影した後にレセプションに移行しました。会場には歓談の輪が広がり、多くの参加者が感染対策に気を配りつつ、対面での交流を楽しんでいました。

会場のあちこちで話に花が咲いていた